「鷲崎健のロレンチーニ便」第59回

第59回（2021/05/12）

■テーマ「どっちがシンデレラ」

　長らく沈黙を続けてきたあの伝説的アイドルグループオッド・アイが、実に数年ぶりにCDをリリースした。タイトルは「どっちがシンデレラ」。しかも今回はなんとゲストボーカルとしてあの石飛恵里花が参加してると言う。

　知ってる人は知ってると思うが今回のCDはヨルナイト×ヨルナイト番組1000回突破を記念して制作されたものである。そしてそのリード曲「どっちがシンデレラ」は、およそ一年半前に大宮ソニックシティで行われた番組イベントにて披露された楽曲だ。
　活動の場所が極端に少なく、メンバーの沢口と青木に関しては総合で20回ほどしか顔を合わせていないんじゃないかと噂されるオッド・アイ。番組イベント以外でライブをしたことは記録上は一度も無い。
　しかもこのイベントより前に行われたライブでは、メンバー青木のメインバンドである「学園祭学園」がバッキングをつとめた、と資料にはある。
　学園祭学園はボーカル／アコースティックギターの青木とベースの市川、ドラムの栗田、パーカッションの阿部からなるボトムの方面にばっか特化したバンドで、かろうじてウワモノを担当するエレクトリックギターはサポートメンバーであると言うキラキラ成分の極端に欠如したバンドである。

　来場したリスナーの番組愛と、持ち前の「まあそういうの良く分からないから」精神でライブを乗り切った沢口であったが、やはりアイドル楽曲のキラキラした音の中でパフォーマンスするべきだと考え、前述した大宮のイベントではカラオケでの歌唱に踏み切った。アルバム「okey dokey do it」に収録されたあんな曲こんな曲を、初めてオリジナルバッキングでパフォーマンスしたのである。
　数曲ではあったものの、ファンからもアーティストからも「念願の」と言っていいステージだった。

　話は前後してしまうがそもそもこのイベント自体なかなか集客の困難なものであった。地上波AM番組でもない大して人気者も居ない番組のイベントで大宮ソニックである。しかもメインパーソナリティの鷲崎が「番組に大して関係ない大物ゲストとかはいれたくない」とだだをこねだす始末である。

　ヨルナイトと言う番組は月曜から木曜まで毎日深夜零時からの生番組であり、月曜日は一ヶ月間毎週登場するゲスト、そして木曜日は週代わりのゲストを招いているため、番組に関係のあるタレントはどんどん増えていくシステムである。
　しかし番組に「深く」関係するゲスト、というのがいるかと問われると難しい。どのゲストも等しく特別だとも非特別だとも言える。どのタレントとも番組としては等距離である。
　なのでメンバー青木のバンド学園祭学園、同じくメンバー沢口のメインユニットであるpredia、そしてその月の月曜マンスリーゲストであった吉岡茉祐さん以外イベントゲストは居ないはずだったのだ。

　ではなぜ、石飛恵里花女史がゲストで？

　結論から言うと、これは当時のプロデューサーが独断で勝手に呼んだものである。

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