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  • 渋谷系GIRLS ROCK UNIT「CANDY GO!GO!」

”ROCKな女子たち”が、ROCK IDOLとして活躍していく現在、
象徴的存在の「CANDY GO!GO!」を通じて、見据える将来の展望は?

CANDY GO!GO!ライブ風景@

ライブ風景@

 いつぐらいからだろうか?
アイドル系のイベントへ足を運ぶたびに、「うちは、エモいんで」とか、「うちのメンバーはデスボ(イス)も得意としてるんですよ」、「うちら、サウンドは本格的なロック系だから」という言葉を耳にするようになったのは。

しかも、それらを発言するのは、表現しているアイドルではなく、アイドルを仕掛ける運営側から聞こえることがほとんどだ。

「本格的なロック系」と言われても、括りが大きすぎて正直明確には伝わらない。
まだ、「自分がバンド時代に追求してきたけど成功には手の届かなかった音楽を、彼女たちに託してるんだ」と言ってもらえたほうが、ジャンルはさておき、「本格的なロック系」という言葉へ込めた想いは、まだ胸に届きやすい。
CANDY GO!GO!ライブ風景A

ライブ風景A

 自分の叶えられなかった夢をアイドルたちへ託すことについては、何も否定するつもりはない。
今でこそ、サウンド面も含めセルフ・プロデュースしてゆくアイドルたちもいるが、昔も今も、サウンドの方向性を決めていくのは運営側。
音楽的な知識はさほどなく、ビジネスとしてアイドル運営に携わるのも、自分の夢をアイドルに投影することも、受け手側がどうこう言うべきことではない。
中身が伴わなければ、人はとくに振り向きもしないというだけ。人を振り向かせるためどうするかは、運営側やアイドル自身がまずは考えるべきこと。

そもそも、何故アイドルグループがロックに走るようになったのか。
そこが着目したいところの一つ。大きいのが、アイドルファン以外の音楽好きに注目されることで、そのアイドルが活動のすそ野を広げていけること。
平たく言うなら、ビジネスとして成功するチャンスを手に出来るというわけだ。
そこには、音楽好きを唸らせるというサウンド面でのバックボーンがなければ難しい。
ロック系の音楽フェスで、長く支持を得ているアイドルたちや、何時しかアイドルファン以上に音楽ファンが支持の中心層を成している。
もしくは、比率が拮抗しているグループは、間違いなく「本格的なロック」をやっている。
それこそ、BABY METAL然りPassCode然り。楽器を弾かないパンクバンドをうたうBiSHや、ポストロックなsora tob sakanaやMaison book girlなど名前を上げだしたらきりがない。
CANDY GO!GO!ライブ風景B

ライブ風景B

 ただし、そこでも一つ特徴として上げられるのが、本人らの意志も…というグループもあるとはいえ、大半が運営側の意志にて、そのスタイルを表現しているアイドルグループが多いことだ。
じゃあ、実際にアイドルをやっている側は、「わたしは、アイドルとして成功するためならジャンルは問わない」という人たちばかりか…と言えば、けっしてそうではない。
もちろん、グループに加入したら「ぜんぜん触れたことのない音楽だった」というアイドルたちも正直多い。だからと言って、それは否定すべきことではない。目的が「アイドルとしての成功」であるなら、音楽のジャンルも成功を手にするための術の一つのように、そこへ好き嫌いの基準を重ねないで活動を行うのもアイドルとしての一つの生き方だと思う。
CANDY GO!GO!ライブ風景C

ライブ風景C

 でも、中にはポップで甘いアイドルソングを歌いながら、つまり、いわゆる王道アイドルと呼ばれる路線で活動を始め、アイドルというアイコンを突き詰めてゆくスタイルでライブ活動を続けてゆく中、音楽を追求する面白さに目覚めてゆくアイドルたちも増え続けている。

 自分たちが求める理想を手にするためのスタイルは、今、やっている音楽性やヴィジュアルではない。だからもっと変化が欲しい。そうやって、グループとしての軌道修正…と言うよりは、表現するアイドルたち自身の求めたい音楽性へシフトしてゆくグループも存在している。もちろん、それに気づいた時点で脱退や解散を決め、新たに構築し直すアイドルたちも多い。
CANDY GO!GO!ライブ風景D

ライブ風景D