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Initial'L インタビューの様子③
――では、Initial’L始動の思い入れのあるナンバーを今回、レコーディングするに当たってこだわったところは？
僕がベースで弾いているフレーズは当時とそんなに変わっていないんですよ。明らかにプレイは良くなっているし、あの頃に出せなかった音が自分なりに出せているのかなと思います。
僕はせっかく今やるんだからアレンジを少し変えたいなと。当時のままのセクションもあるんですけど、フレーズを加えたところもあります。ライブDVD『VISION TO VISON』(2017年)の初回盤に特典としてニコファーレの始動ライブ映像がパッケージされていたんですけど、そのときのテイクとの違いを聴き比べてもらったら面白いんじゃないかと思います。
――「THE END」ってリピートが多い曲ですよね。それだけに起伏を出すために工夫したところがあったんじゃないかと。
２回目のAメロでは左右のギターが当時と違うフレーズを弾いています。
ドラムは繰り返しのAメロのフレーズ自体は全く同じなんですけど、今回はロックなノリにしたいと思って叩きましたね。以前は淡々と機械的なビートでプレイしていたんですが、もっと人間味を出した感じですね。
僕は繰り返しの中でどんどん派手になっていく一朗のプレイに合わせて自然のままのノリで弾きました。淡々と進行していく曲なのでグルーヴ感がいちばん大事なんだろうなって。
一朗 インタビューの様子
――グルーヴがいちばん難しいところですよね。
あとこれ何回目だっけ？ みたいな（笑）。
サビ終わりでサトシが僕のフレーズを変えてくれたので覚えやすくはなりましたね。
そうですね。今の自分たちならこうするかな？と思って。
確かに僕も一朗と同じでどこ歌っているのかわからなくなるっていうのはありましたけど、自分たちにとってもファンにとっても思い入れがある曲なので劇的にアレンジや歌を変えたくはなかったんですよね。
――音源化が待たれていた曲ですものね。
そうですね。上物の音に関してはシーケンスとかバイオリンのフレーズをちょっと変えていたり、ピアノの音も最初はもっと丸みがある感じだったんですけど、もう少し冷たい感じの音にしたり。今風のシンセを足したりして、今のInitial’Lに合った感じの音にしていますね。
――効果音的なものを足したりとか？
何かがひび割れていくような音だったり、水の音を入れたり。
――正体不明の何かが降り積もっていくようなゾクッとする音像でした。
（笑）
そういうイメージには近づけたいと思っていました。大阪のライブで今のアプローチで初めて演奏したんですが、歌いながら「いい曲だな」と思いましたよ。今のInitial’Lの曲のテイストとは違うので「暗すぎないかな？」と思っていたんですけど、１曲目に持ってきても意外とマッチしてるなって。
Initial'L インタビューの様子④
――やはり、今もポジション的には幕開けの曲なんですね。
そうですね。
――カップリングには「MOON LIGHT DOWN」と「毒女」のアンプラグドヴァージョンが収録されていますが、なぜアコースティックにしようと思ったのですか？
カップリングでは遊びたいなと思ったんですよ。なので、アレンジ違いというよりアコースティックにしたほうが僕ら的にも挑戦できるかなって。それと「THE END」に近い時期に作った曲にしたいなというのがあったので、両方とも1stシングルの収録曲から選びました。
――アンプラグドスタイルは他のライブでも披露していましたよね。
そうですね。他にはインストアイベントとか。
まだそんなにやっていないですけどね。
ただ今回のアコースティックアレンジに関してはボーカル、アコギ、リズムがメインというよりギターとボーカルはサブぐらいな勢いでストリングスを入れたりしているんです。
――例えば「MOON LIGHT DOWN」は民族音楽的アプローチですよね。
コントラバスとかヴィオラ、バイオリンで構成したいと思って家で作業して弦ありきでサトシと作っていったんです。
そこにどうやってアコギを足していこうって。
例えばサビにはサトシのアルペジオが入っているんですが、それを聴いてその場でピアノを打ち込んだりとか。お互いのフレーズにインスピレーションを受けて重ねていった感じですね。ドラムは入っていなくてコンガと民族音楽の打楽器を入れて、シェイカーが入っていたり、普段とは全く違うアプローチになっていますね。
サトシ インタビューの様子
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