総再生数5億超えピアニスト・まらしぃが語る、ネット時代のアーティストの生き方

これからはリアルタイムの体験を重視する傾向になっていく気がする

少し前までは、メジャーになるには、レコード会社と契約して、CD を作って、TVに出て…と、高いハードルをいくつも越えなければならなかったが、今は、好きなタイミングで好きなモノを自由に発表できる時代。音源の形態も必ずしもCDで出す必要はなくなり、配信のみ、というパターンも増えてきている。まらしぃも「発表の形態にはこだわらない」と言う。

まらしぃ

「やっぱり、聴いてもらってナンボなんで、みなさんが聴きやすい環境で聴いてもらうのが一番いいと思うんです。僕自身はヲタ気質、コレクター気質があって、好きな人が何か出してたら集めたいタイプなので、カタチとして残る方が好きなんですけど。だから要望があれば、今後、LPやカセットって形態でも出せたら面白いかな、って考えもあります」

――音源のプラットフォームは出尽くした感があるんですが、今後、音楽はどんな方向に向かっていくと思いますか?

「最近もだんだんその傾向になってきてると思うんですけど、何となくライブに収束していく気がしてるんです。配信、動画、CD ……作品を発表する手段はたくさんありますけど、何がどうあってもライブは超えられないと思うんですよ。様々なプラットフォームで音楽を聴いてたけど、満足しきれない人が最終的に流れ着くのは、やっぱり“生”になってくるんじゃないかなぁと。インターネットの生放送もそうですけど、リアルタイムのその場の体験を重視する傾向にあるんじゃないかな、と感じています」

まらしぃ

――最後に。20周年に向けての展望を教えてください。

「生配信中に、“今から出産です”ってコメントが来たり、僕のピアノを聴いてピアノを習い始めました、とか、小さい子供がマネして頑張って弾いてます、って話を聞いたりすると、“その子たちが大きくなって、僕の配信やライブに遊びに来てくれたり、将来、演奏家になって一緒にできたら嬉しいな、そうなるまでは頑張って続けたいなぁ”と思うようになりました。あと、海外進出にも興味があります。中国や台湾で公演をしたときに、海外のファンの熱量がすごくて刺激的だったんで、その他のアジアや欧米でも演奏してみたいです。先程、ライブに収束していくって話をしましたけど、その点では、国内でもまだまだ行けてない土地が多くて、47都道府県ライブも、いつかしてみたいですね。でも、ずっと家を空けるのも寂しいんで、何カ所かやったら一旦帰って…の繰り返しになるとは思いますけど(笑)」

運命/村雨

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