ユプシロン

ユプシロン

 Youtube上でバーチャルキャラクターとして誕生し、YouTubeで活動する「Vtuber」が一つのジャンルを築いている。VTuberも多様化してきており、VTuberのシンガーとして活躍しているユプシロンが新曲「ハート」を11/25(水)にリリース。インターネットの世界でどの様に活動しているのか、また新曲はどの様にして作られたのかインタビューを行った。

――まず初めに、VTuberには様々な活動やカタチがありますが、ユプシロンさんはどの様なVTuberでしょうか?

僕は音楽を中心に活動する「VSinger」です。といっても、肩書は何でもいいと思っていて。VTuberでも、バーチャルシンガーでも、歌い手でも、シンガーソングライターでも。 肩書は概念でしかないので、「音楽を作ったり歌ったりするひと」だとたくさんの人に知ってもらえたら嬉しいなと思って活動しています。

―― ユプシロンは企業に所属せずに個人で活動している「個人勢」とのことですが、どのように活動がスタートしたのでしょうか?

最初は軽い気持ちで「歌ってみた」をYouTubeに投稿してみて、不定期に歌を投稿していたのが三ヶ月くらいあってその時代を「胎児時代」と呼んでいるんですけど。

――「胎児」ですか(笑)

はい(笑)ちょうどその時に知人からVTuberという文化があることを教えてもらって、Vとして生まれたいなと思い(笑) イラストレーターのさくしゃ2さんに産んでほしいとお願いをして僕は産まれました(笑) それで、Vデビューしたのが今年の4月18日です。

―― 投稿している音楽は全部自分で作っているんですか?

作詞とメロディの作曲とレコーディングは全部自分でやっています。家のパソコンで黙々と機材をいじっています(笑) アレンジや楽器やMIXはできないので、いろんな方にサポートしてもらっています。

―― なるほど。制作チームはどのようにして集まっているのでしょうか?

ほとんどは、僕がクリエイターさんに直接DMをして「一緒にやってください」と言うことがほとんどです。一万人記念(YouTubeチャンネル登録者数)にアコースティックライブをやったんですけど、その時にギターを弾いてくださったリュウトさんは、リュウトさんが昔やっていたバンドを僕が一方的に知っていて。一作目の「ステレオタイプ」のギターレコーディングをDMでオファーさせていただいたご縁から、アコースティックライブのサポートも、今作「ハート」のギターもお願いしたという感じです。なのでインターネットで知り合って、インターネット上でデータのやり取りをしています。

―― となると、クリエイターたちはユプシロンさんの曲で集まったんですかね?

そうなんですかね(笑) でもまず、いろんなクリエイターさんに僕のことを知ってもらわないと協力していただけないと思ったので、そういう意味でもまずは「歌ってみた」というカバー曲からアップしていったという経緯はあります。

―― YouTubeにアップするコンテンツはどの様に作成をされるのでしょうか?

オリジナル曲に関しては、ユプシロンとして表現したい世界観が迷いなく頭の中にあるので、そのストーリーを追っていく形で制作しています。協力してくださるクリエイターさんたちには、MVは絵コンテを描いて伝えたり、アレンジやMIXも具体的にどんな音にしたいかを伝えるようにしています。 カバー曲に関しては自分が好きな曲を選んでいますね。元々本家があるものなので、自分が歌ったらどう表現するかなって思いながら、まさに「歌ってみた」ですね(笑) 歌う曲が決まってから「この曲を歌うならこの絵師さんにお願いしたい」と思ってオファーすることもあるんですけど、描いていただけると決まった絵師さんに「この曲かこの曲ならどっちがいいですか?」と選んで描いてもらったこともあります。 たとえば「アンノウンマザーグース」という曲を歌ったときは、アンノウンマザーグースか違うボカロ曲かで、絵師さんに選んでいただいて描いていただきました。

―― 絵師さんに選んでもらうのは面白いですね!

あとは、動画師さんは、なるべくその方が好きそうなジャンルの楽曲をお願いするようにしています。何回も聴きながら制作していただくので。なるべくですよ(笑)そうじゃない場合もあると思いますけど(笑)

―― 新曲「ハート」はシリアスな歌詞と緊張感のあるロックサウンドですが、楽曲のコンセプトやテーマを教えてください。

コンセプトは、一作目の「ステレオタイプ」から大きくかけ離れず、物語の延長線上にあるものが書きたくて。ステレオタイプは一作目だったので自分の自己紹介みたいな気持ちで作った楽曲なんですけど、「ハート」はもう少し攻めて、でもキャッチーにしたかったんです。音楽的な話で言うと、「ステレオタイプ」は三拍子の曲なんですけど、「ハート」は日本の曲に多い四拍子で作っています。あとはサビのメロディから始まる楽曲構成というのを意識して作りました。こういうことを共同作曲者のsachiさんにも伝えて、一緒に作っていただきました。

―― 一作目と二作目は続いているんですね。

そうですね。物語自体は続いていて、音の質感とかも離れていないとは思うんですけど、構成とか、狙っているところは違います(笑)

―― 楽曲のテーマはどんなものなのでしょうか?

「ステレオタイプ」もそうだったのですが、僕の場合は歌詞で伝えたいことが一番先にあって。これはネタバレになってしまうかもしれないのですが、カタカナで「ハート」にしたのは、「ハート」と聞くと心臓や心やハートマークのハートをみなさん想像するかと思うんですが、この「ハート」は実は「傷を付ける」という方の意味の「Hurt」なんです。

―― 傷付いた人のための曲なんですかね。

いいえ、自分の実体験です(笑) 誰かにポロっと言われた一言で傷付いたという自分の実体験があって。たぶん相手の人は何で傷付けたかなんて覚えていないような言葉だったりするんですけど、自分は十年経ってもその一言をすごく覚えていたりするんですよ。

―― あー、ありますね…!

小学生のときに言われた悪口とか、覚えてたりしますよね(笑) すごいくだらないことだったりしても、今では全然会わないような人に言われたことでも、覚えてたりするじゃないですか。そういうのが誰にでもあると思うのですが、僕自身もそういうことがあって。「あれから10年経ってるのにあの言葉って忘れないな」っていうものがあって、それって目には見えないけど傷になってるのかなって思うんですよね。

―― 「ハート」の楽曲制作とMusic Video制作は、どの様にして進められましたか?

楽曲制作に関しては「ステレオタイプ」のときと同じメンバーにお願いして、曲の共同制作とアレンジをsachiさんに、ギターをリュウトさんにお願いしました。今作はギターソロが入っているんですけど、ギターソロはリュウトさんが何パターンか提案してくれて、sachiさんと即決でこれに決まりました。MIXの渡辺さんも前作の音からどんな音にしたいかは理解してくれていたので、楽曲制作はサクサクっと進みました。1ヶ月くらいで完パケしましたね。

―― 早いですね!MV制作はどうでしたか?

MVは、時間がかかりましたけどすごく濃い時間でした!イラストは初めてご一緒させていただいたsuさん、動画は「ロストワンの号哭」のカバー曲の動画を作ってくださったあめまるさんにお願いして。DMで3人のグループDMができて「初めまして〜」から始まり(笑) 全員、フルのアニメーションMVを作るのは初めてだったんです。おふたりとも絵や動画のお仕事はされているのですが、アニメーションミュージックビデオを作るのは初めてで。どう進めていいかわからなかったので、僕が頭の中を絵コンテにしてみて、それを元に絵を描いていただく、モーションを作っていただく、という流れでした。絵コンテの書き方もわからないので、ネットでまとめ記事を調べて(笑) 全部で8枚になったんですけど、実際ほとんど絵コンテ通りに進んだんです。

―― 手探りの結果、いいものができたんですね!

本当にそうです!僕自身、動画と絵は何もわからないので、実際何が大変で何が簡単な作業なのかわからず、かなり無茶ぶりしていたと思います。でもお二人とも応えてくださって、というか、予想以上にすごいものが上がってきました。 suさんに関しては、絵が1枚来ると思っていたシーンがアニメーションになってちゃんと動いていたりとか。あめまるさんに関しては、僕が一言「モーション」って書いてあるだけの投げやりなシーンに、めちゃくちゃ意味のある演出を作ってくださって。ハートの折り紙が舞うシーンがあるんですけど、ちゃんと真ん中に折り目があって傷に見えたり。 テスト映像が送られてくる時点で、一人で泣いていました、感動して(笑) 僕が「こういうことがやりたい」と言ったそれ以上のものが返ってきたので、おふたりにお願いしてよかったなって本当に思いました。

―― DMしてよかったですね〜!

DMしてよかったです(笑)勇気を振り絞って(笑)

―― 実際にはお会いしてないんですか?

会ってないですね(笑) インターネットの世界で会ってます!リスナーのみなさんもそうです!バーチャル界のリスナーのみなさんの方が、リアルの人たちより定期的に会って喋ってます(笑)

―― 今後の活動予定や、やってみたい事がありましたら教えてください。

大きな目標で言うと、3Dになって生バンドでリアルライブをするのが夢です!その目標に向かって、2021年はまず3Dになりたいと思っていて。ここだけの話、クラウドファンディングを計画中です。来年頭にはクラファンが始まる予定です。ワンマンをやるためにオリジナル曲も増やさなきゃとは思っているんですけど、カラダの方も揃えていきたいなと(笑) あとは1stから2ndはリリースに半年かかってしまったんですけど、3作目はMVもほぼほぼできていて、早々に発表できるかなとは思っています。

―― 今後もライブに向けていっぱい歌っていくってことですかね!

そうですね!いっぱい曲をつくり、カバーも歌って歌のレベルアップをして、でもまずは動けるカラダを手に入れたいっていうのが直近の目標です!

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