Zwei、15周年のあゆみを振り返る
「アニソンの拡大でアーティストの価値が変わった」

Zwei

2004年にデビューし、今年15周年を迎えたZweiが15周年記念フルアルバム「愛しかない」を2019年9月25日(水)にリリースする。ベースのMeguとヴォーカルのAyumu、2人の女性が創り出すサウンドと高いライブパフォーマンス力に定評のあるZwei。今回は、15年という長い年月を音楽市場に身を置き続けた彼女たちに、これまでの歩みと音楽市場の変化についてお話を伺った。

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――人気タイトルのタイアップ楽曲や、ライブ音源なども収録されており、「ファンサービスしすぎなのでは?」とこちらも心配になるくらいの豪華なアルバムですが、どのような思いを込めましたか?

15周年は、ファンの方だけでなく、私たちにとっても大切にしたい一つの節目ですから「自分たちが本当に手に取りたいCDを作りたい」と思いました。その結果、私たちが尊敬する大好きなアーティスト2組に楽曲を提供してもらったり、Zweiとしては初めてライブ楽曲を収録したり、タイアップ曲も入れたり…まさに、今の私たちがやりたかったことの集大成といっても過言ではありません。

ちょうど1年くらい前に、15周年に向けて、「愛しかない」というテーマが決まりました。今でこそ、Zweiといえばアニソン・ゲーソンのイメージがあるかもしれませんが、私たちの音楽は最初からアニソンだったわけではないので、できるだけZweiの幅広さを見てほしいということは意識しましたね。

――SHOW-YAの角田”mittan”美喜さん、仙波さとみさん、筋肉少女帯の大槻ケンヂさん、内田雄一郎さんとは、どのような経緯でコラボすることになったのでしょう?

記念すべきアルバムだし、誰とやりたいかを考えたときに、2組のお名前をあげました。まず、SHOW-YAさんは、一時期mittanさんにZweiのサポートメンバーをしてもらっていたりと、普段から超お世話になっているので、いつか音楽でもご縁がほしいと思って、オファーしたんですよね。まさか女性ロックバンドの中で先駆け的な存在の方々から、OKしていただけるなんて、本当に感動しましたよ。

筋肉少女帯に関しては、実は私、昔から大ファンであって、「音楽で世に出たい」という気持ちにさせてくれた方々なんですね。それで「いつかコラボしたい」と密かに思っていたんです。なので、今回お話が進んだと聞いたときは、本当に嬉しかったです。

――お二人から熱量が伝わってきます(笑)。15周年アルバムをどのように楽しんでほしいでしょうか。

そうですね…そもそも女性のベースとボーカルのユニットってこと自体も珍しいですし、そんな2人が15年間音楽をしてきたというのは、なかなかないことなので、まずは知っていただくきっかけになれたらなと思います。

■「ただ歌い続けたかった」揺らいだ自信を取り返したドイツ公演

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――15年間での活動を振り返って、ターニングポイントとなった出来事は、ずばりなんでしょう?

まずはアニソン・ゲーソン系のオファーをいただいたことですね。最初オファーをいただいたときは、受け入れてもらえるのか不安で仕方がなかったのを今でも覚えています。ロックのライブとはノリも違って、サイリウムを持っている人たちがほとんどな空間でライブをするのが未知すぎて…。スタッフさんたちに「大丈夫だよ。かっこいいよ」って励ましてもらったくらい不安でしたね(笑)。だから、いざステージに出て「わっしょい」コールをやったら、皆さんが全力でノってくれたのは、本当に嬉しかったんです。

――なるほど。一方で、アニメやゲームソングを歌うことへの抵抗や不安はなかったのでしょうか?

私自身、もともとアニメやゲームが好きだったので、受け入れるも何も抵抗はなかったですね。むしろ自分の好きな世界に少しずつ近づいていきたいと思っていたので、嬉しかったくらい。それに私たちがアニソンを歌い始める前から、Ayumuさんの声質がアニソン向けだよねって仲間内で言われていて…

――Meguさんはターニングポイントといえば、どんなときを思い浮かべますか?

2013年にドイツで行われた「AnimagiC 2013」に出演して初めて海外公演をやったときですかね。ゲーム・アニメの楽曲に携わるようになってから、どうしてもゲーム・アニメありきのアーティストになってしまった感があって、ちょっと自信を無くしかけていたんです。だから、アニメやゲームのタイアップでない曲を披露したら、言葉の壁もある海外の人たちは私たちの音楽をどうみるのだろうってモヤモヤを抱えていました。でも、すごく盛り上がってくださったんですよね。それを見て、作品に頼らないで、音楽だけでもやっていけるんだ、自分たちを表現できるんだって自信がついたんですよ。

――そのようにいろいろなジレンマを感じながらも前進を続け、早くも15年というわけですが、長きにわたって、音楽活動を続けてこられた秘訣は何でしょうか?

Zwei

音楽が好きだからですかね。ミュージシャンの方の中には、アニソンに抵抗があったり、特定のジャンルにこだわりがある人もいると思うんですけど、私の場合は、ただ単に歌い続けたかった。その結果、ジャンル超えて、届けられるようになったのかな。

あとはZweiの2人とスタッフさんが描くゴールや方向性が一緒ということも大きいですね。スタッフさんたちが持ってきてくださるお仕事が本当に私たちにマッチしていますもん。かっこいい女性のイメージに近づいていきたいです。サウンド的には、ロック魂はずっと残していて、詩に関しては受け身というよりはメッセージ性があり、はっきりとした言葉回しが多いような。

――なるほど。カッコイイ女性像って、人によってそれぞれ違う気がするのですが、お二人が思う“カッコイイ女性”像ってどういう女性ですか?

自分を生きている人ですかね。自分というものに生まれてきて、どういう風に生きていくか、時代に飲み込まれずに学び、楽しめるか。

自分の中にある正義や信念に従っている人ってかっこいいなと思います。

■誰が来ても楽しめる、決まり事なんてないライブを楽しんでほしい

――ファンの方の中にはやはり女性ファンの方が多いんでしょうか?

デビュー当時は、女性ファンが9割だったんですけど、アニソン、ゲーソンに入ってからは男性が増えましたね。でも、今は男女比半々くらいかな。年に1回ライブをやるたびにファン層が変わっているので、正直なところ私たちも読めないんですよね。

本当に不思議なんですけど、女性向けゲームのタイアップ曲をやったからって女性ファンが増えるわけではなくて、「なんでこのタイミング?」って思うことは多いです。だから、誰が来ても楽しめるようなZweiでありたいなって思っています。

――Zweiといえばライブ力にも定評がありますね。アニソン人気が昔よりも高くなり、ライブをする中で、ファンの方の「熱量」も高くなっていったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

大抵のライブってみんな同じノリ方をしているじゃないですか。でも、別にみんなが同じノリ方をしなくてもいいし、端っこで目を瞑りながら聞いている人がいてもいいと私は思っちゃうんですね。なので、客席に乱入したり、「わっしょい」コールをしたり、ちょっとした波を起こして、みんなのノリ方をもみくちゃにしてきた結果、ちょっとずついろんな人たちが出てきたように感じます。今まさに進行中ですね。

ファンとアーティストの関係でいうと、ひと昔は、アーティストってもう少し崇められる存在だった気がするんですね。それがSNSの普及があって、一般の方も人気を集められるようになり、双方向に発信できるようになったもんだから、アーティストとファンの距離も縮まったなと思います。その影響か、構えてライブに来る人は減ったかな。でもライブに来る方には、深く考えずに音を楽しみに、パワースポットに来るような気持ちで来てほしいですね。

なんていうか、Zwei神社みたいな!(笑)来ると心が清められて、明日を頑張る力がもらえるという場所でありたいです!

■アーティストから見た今の“アニソン市場”の価値

――ここ15年で、日本の音楽業界におけるアニメ・ゲーム市場の存在感は非常に大きくなりましたよね。アーティストのお二人から見て、“現在のアニソン市場の価値”というのは、どのようにとらえていますか?

大きな変化としては、“アーティストの価値が変わった”と思っています。やはりアニメ・ゲームの世間での評価ありきで、アーティストの価値も変わりますし。曲単体ではなく作品と楽曲があって、それらを掛け合わせて感動してくれる人がいるって、すごいことだなと思いますね。

ただ、その中で私たちがどうなのかということを見ると、アニメやゲームがありながらも、自分たちの描く世界観を曲げずにやってこれていること、それを受け入れてもらえることはうれしいなと思いますね。

――実際にオリコンの音楽業界誌「コンフィデンス」の2018年の調査では。今やアニソンは1クールに70本以上放送されていて、オープニングとエンディングだけでも120曲を超える楽曲が披露される場となっているようです。

すっご!だって、今や当たり前のように紅白に出ちゃう時代ですし、ランキングでも上位に入ってきますもんね。本当にびっくりです。私自身、ステージで歌いながら、アニメのシーンを想像して感動することってよくあるんですけど、たぶん聞いている人たちもそう思っているんでしょうから、その瞬間が何百曲もあると考えると感慨深いな〜。

たった10年そこらですごく市場規模が広がりましたよね。でも、70とはいえども、広い視点で見るとたった70ですから、その中に入れて歌わせていただいているということは、すごく感謝しなきゃなとも思います。

――最後にそんな多様化する音楽業界で、20周年、30周年にむけてどのようにやっていきたいか教えてください!

時代に惑わされない一方で、時代に乗っかりまくりたいですね。アイドルさんがうきわに乗ってモッシュをやったりしているのを見て、発想力が豊かだなと思いますもん。

私は破天荒でいたいかな。自分たちの芯をぶらさなければ、何も怖くないと思っているので…

あとはデビュー当時からずっと言ってるけど、空を飛びたい(笑)。

――お二人ともファンを驚かせたいんですね(笑)。

そう!だってすっごい楽しいんですもん。

破天荒でいたいのも、ファンの人への愛があるからこそ。想像を超えていきたいんです。15周年経って、ある意味1周回ったかなとも思うので、これまでの経験や時代の流れを掴みつつ、自分たちの芯は持ち続けて、演奏、パフォーマンスをやっていきたいです。

(取材・文/於ありさ 構成/ZIGZAG)

■Zwei(ヅヴァイ)15周年記念アルバム『愛しかない』
2019年9月25日発売
価 格:3,000円(本体)+税

1 Shall we ?
2 Avant Story(ゲーム『ROBOTICS;NOTES DaSH』OPテーマ)
3 ツバサナキモノ
4 LAST GAME(TVアニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』EDテーマ)
5 Don't cry!
6 春告げ(ゲーム『メモリーズオフ-Innocent Fille-for Dearest』EDテーマ)
7 Sword of Swear(アニメ『少年錦衣衛』プロモーション曲)
8 Lovesique(ゲーム『MOTTO LIP ON MY PRINCE』主題歌)
9 青き炎(TVアニメ「BAKUMATSUクライシス」EDテーマ)
10 数奇なるファクタ(ゲーム版『OCCULTIC;NINE』EDテーマ)
11 from Now
12 逆転FEVER(日本語 ver.)
13.拡張プレイス(Live ver.)
14.LAST GAME(Live ver.)


◆店頭抽選会開催!
9/27(金)17時〜21時
AKIHABARAゲーマズ本店 店頭
※9月25日発売アルバム「愛しかない」をお買い上げ頂くと1枚につき1回抽選会に参加できます。


◆リリース記念イベント
10/6(日)13時〜
とらのあな秋葉原店C 4F イベントスペース
内容:ミニライブ&サイン会
対象店:とらのあな秋葉原店C、秋葉原店B

オフィシャルサイト
http://zweima.com

楽曲試聴・ダウンロード

ツバサナキモノ

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Lovesique(lovesick)

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from Now

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拡張プレイス(LIVE ver.)

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LAST GAME(LIVE ver.)

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