初夏の町 昼下がり
袖まくり 歩く人波
映画みたいにいかない
偶然も運命も無い
綿菓子の雲
ながめているだけ
淡い期待が
人混みに消える
どうして
なぜ
思い出すの
ああどうして
すれ違って
気づかないの
ぼくらは
今年最初の蝉の
声がする路地の向こうへ
きみとくる夢を見た
野球場は人で賑わい
やれることは
ほかにあったかな
なにが足りないか
分らなかった
どうして
なぜ
思い出すの
ああどうして
すれ違って
気づかないの
ぼくらは
どこから
なにが
違ったのだろう
いつまで
大事なことに
気づかないの
どうして
いつも
ぎこちないの
ああなぜ
単純なことに
気づかないの
どうして
いつまで
迷っているの
ああどうして
楽しい時を
過ごせないの
ぼくらは
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