繰り返される遊びに心許ない彼女は思う
(欲しいものは見つからない 心をもっとちょうだい)

いつもの待ち合わせ場所は隣町の彼の家
県道沿いのワンルーム
他の女の匂いもする

真っすぐに向かうことは許されませんか
私を本気で思ってはくれませんか

赤信号、右折だけ青
車で向かう道の途中で
赤信号 光るその下に
横たわる矢の印

一番長い待ち時間でも
二人ならそう退屈じゃない
さみしんぼう 怒るその前に
空しさだけでこの道は渋滞する

ヤツと関わってる誰もが独裁者になりたがってる
(私のために割いてくれる 時間をもっとちょうだい)

他人と言っちゃえばそれでオシマイですか
迷いのロウトから誰も落とせませんか

赤信号、右折だけ青
メモの暗号残したままで
予定変更、白昼の間に
横たわる誰かと彼

扉の向こう 誰かの気配
感じたならここにはいられない
さみしんぼう 何も気にせずに
強気でドアをへし折ってみたいのに

何も 何も 聞いちゃないさ
何も 何も
何も 知らないさ
アイツとも 何もないさ
何も 何も
何も してないさ
仮に 何か あったとしても
あんたなんかにゃ 関係ないさ

多分ヤツはこんなこと言って
彼女を片付けるんだろう

赤信号、右折だけ青
メモの暗号残したままで
予定変更、白昼の間に
横たわる誰かと彼

これを黙認するもしないも
彼女の自由
だけど傷つく痛みの感覚さえ鈍ってる
自分にも向けられた赤信号