ある日 雨の晴れまに竹の皮に包んだつくだ煮が水たまりにこぼれ落ちたつくだ煮の小魚達はその一ぴき一ぴきを見てみれば目を大きく見開いて環になつて互にからみあつてゐる鰭も尻尾も折れてゐない顎の呼吸するところには 色つやさへあるそして 水たまりの底に放たれたがあめ色の小魚達は互に生きて返らなんだ Powered by