炎える夕陽の こぼれ陽に
笹の小枝が 風に鳴く
肩を落して 遠ざかる
あの女(ひと)を 追いかけて
強く抱きたい この俺の
こころが痛む… しぐれ坂

うしろ髪ひく 宿灯り
想い振り切る この俺に
体あづけた あの女(ひと)の
情念の 縋る眼を
さけてとび出す 夜の道
なみだの雨か… しぐれ坂

遠く聞こえる 梵鐘は
添えぬさだめの 哀しさか
死ぬほど好きな ふたりでも
あの女(ひと)は 人の妻
二度と逢えない この俺の
みれんが泣くよ… しぐれ坂