あの人とこの橋の あじさいの花
一、遠くにゆっくりと 梅雨が来て
空からそっと投げた 絹の糸の雨
静かな街並は 色あせて
あの人を見送る道 手をふりながら
渡れる 渡れない ふたりが名付けた橋
渡れる 渡れない ああ あじさい橋
小さなこの傘を 開いたまま
欄干に立てかければ 思い出の花
二、グレイの雨雲を 幾重にも
着物のように着てる 空に虹の帯
瞳で受けとめた 恋の終り
雨の粒いつのまにか 涙になった
渡れる 渡れない ふたりの思い出橋
渡れる 渡れない ああ あじさい橋
いつでもこの場所で 待ち合わせた
あの頃が切なすぎて 佇んでいた
渡れる 渡れない ひとりの今の私
渡れる 渡れない ああ あじさい橋
心にいつまでも 咲いている
あの人とこの橋の あじさいの花
あの人とこの橋の あじさいの花
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