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  • 渋谷系GIRLS ROCK UNIT「CANDY GO!GO!」

”ROCKな女子たち”が、ROCK IDOLとして活躍していく現在、
象徴的存在の「CANDY GO!GO!」を通じて、見据える将来の展望は?

CANDY GO!GO!ライブ風景E

ライブ風景E

ここに、一つ面白い例をご紹介したい。
かつて渋谷系アイドルグループとして活動を始め、甘いポップな歌を表現してきたCANDY GO!GO! というグループがいる。実は彼女たち、今年の6月で9周年を迎える。つまり、8年以上アイドル活動を続けている。今ではロックアイドル界のパイオニアと称されているが、初動のころから観ている方には、まるで別のグループに感じるらしい。
CANDY GO!GO!ライブ風景F

ライブ風景F

当初こそ、当時の世相を反映したキラキラとしたアイドルポップスを歌っていたが、次第に「何処を切り取っても同じようにしか見えない中で、似たようなことをやっていたらグループは終わってしまう」と感じ始めたメンバーと運営陣は、「じゃあ、自分たちに似合う洋服は何なのか」を考え、活動から5年を経過した頃に一つの答えを導きだした。それが「アイドル×ロック=アイドロック」というスタイルだった。
その頃には、中心メンバーたちは20代中盤時期頃。もともと勝気な性格のメンバーが多かったこともあり、その方向性は、自分たちの素顔にも重なる要素として好意的に受け入れれば、運営側も、彼女たちの意志を上手く反映させる形で、少しずつイメージの舵取りを行い、時間をかけ「アイドロック」という独自のスタイルを築く方向性へとグループを導き、今も進めている最中だ。
アイドルとして単にロック調の曲を歌うという考え方ではなく、ロック女子たちがアイドルのライブにも、バンドライブにも、捉われず、ジャンルフリーで広く出演していくスタンスということだ。
CANDY GO!GO!ライブ風景G

ライブ風景G

 さらに面白いのが、メンバーの方向性のシフトチェンジを、ファンたちも、一緒に楽しもうという形で進んでいること。
自分たちのエゴで無理やり方向性の舵を切り換えるのではなく、「私たちはこれを求めていきたいし、少しずつその要素を吸収し、自分たちのモノにしていきたい。よければ、一緒に変化を楽しみながら成長しない?」と、想いを投げかけ、ファンたちと一緒にゆっくり成長し続けている。

 当然ながらその変化の影響もあり一時は集客動員も落ち、メンバーチェンジも経験している。
一時、マイナビBLITZ(当時は赤坂BLITZ)などワンマン公演では4桁近くの動員を上げるまでに成長していたが、自分たちが長く音楽活動を続けでゆくための舵取りをしたことで、徐々に動員が減り、一度底を味わったうえで、ふたたび動員が増えだしている。理由はおわかりだろう。表現者自身が本気で求める音楽や姿勢へ同調するファンたちは残り、全力でぶつかる熱を持ったライブを支持。同時に、音楽性はもちろんのこと、情熱(魂)をぶつけるライブに惚れ込む人たちが集まりだし、その輪を広げているからだ。
CANDY GO!GO!ライブ風景H

ライブ風景H

 昨年のクリスマスの日に行ったTSUTAYA O-WESTでのワンマン公演で、ほぼ会場を埋めれば、3月2日に初めて名古屋で実施したワンマン公演でも、同じく会場を埋めつくしていた。
 「本格的なロック」とは何か…。その答えは正直難しい。でも、本気で立ち向かえば、その生き方としての音楽がロックだ!、そんな姿勢を感じることが出来る。まさにそれを今、示そうとしているCANDY GO!GO!の動きがとても興味深い。6月19日には、今度は完全ソールドアウトを求め、ふたたびTSUTAYA O-WESTでワンマン公演を行えば、同日には、ポニーキャニオンインディースよりミニアルバム『IDOROCK-beyond-』の発売も決定している。

 運営側だけが押し進める「本格的なロック」も良いが、やはり、演者本人自身が発信し求めてゆく「自分たちなりのロック」という音楽や姿勢にこそ、リアルを感じられる。
そんなブレない存在もいることを知ったうえで、いまの多くのアイドルたちが求める「本格的なロック」という言葉の意味を、あなたなりに捉え、そのうえで楽しんでいただきたい。
CANDY GO!GO!ライブ風景I

ライブ風景I