「鷲崎健のロレンチーニ便」第30回

鷲崎健のロレンチーニ便

第30回(2020/02/26)


 好きな◯◯はなに?という質問。

 もちろんその人の好きなものを知ることは嫌いなものを知るのと同じくらい内面に触れることだが、それに関しては思考の俎上に乗せたことがないということもあって逆にそれに好き嫌いある人もいるんだとびっくりすることもある。一応頑張って答えるけども。



 好きなコードは?と聴かれたことがある。

 うーん好きなコード進行ならわからなくもないけども。あえて答えるならローコードのEかなあギターだったら。
 Eにしかなし得ない快感、というのが確かにある。特に自分のようなフィンガーピッカー若しくはサムピッカーとしては親指で最低音をはじきながら高音を奏でるというのは最も気持ちのよいプレイの一つである。


 あと好きな電車は?というのも困る。
 移動のための乗り物としか考えたことがないので『タモリ倶楽部』等で電車大好きタレントなんかを見るたびに不思議な感じがしたものだ。

 自分なら新幹線、と答えるだろうか。これに関しては新幹線移動中に本を読むというのが最高の贅沢だと思っているからであるが、しかしそれは好きな本の読み方であって好きな電車ではないと言われてしまった。まあそうだろうね。

 色やかたち、他の個体との差異、思い出や自分にとっての特別感。向き合った人間にしかそれを手に入れることは出来ない。


 ということは 好きな映画 とか 好きなおかず とか当たり前にゲストに聴いてきた質問も人によっては「無茶ぶり」に感じていてもおかしくないということか。過去にひとりだけ、食べ物に関する興味が一切ない人がゲストに来て驚いたことがある。

 あと逆にわざと答えにくそうな質問をして困らせているあいだに次の進行を、みたいな地味なテクニックがあるのだが”「好きな戦国武将は?」という急な問いに待ってましたとばかりに小早川秀秋の話しを熱くされて次の段取りに進めない”みたいなことがあってもおかしくない訳である。

 小早川が一番だとしたら確かに興味が尽きないが。




 例えば好きな数字は?という問いは割とオーソドックスというか子供の頃になんとなく考えたことがあるだろう。幼少時というのは向き合う対象が少ないからか好きな数字と好きな色というのはだいたいみんな持っているものである。
 しかし考えてみたらなんだろう好きな数字という概念。それはデザインで決めるのか。

 もちろん自分にもあった。3である。理由があったかと聞かれると、ある。デザインではなくはっきりとした理由が。


 ゴレンジャーという戦隊ヒーローをご存知だろうか。その中にキレンジャーというメンバーがいた。力自慢でカレー好きな九州男児、五人の中では三枚目というかコメディリリーフと呼んで良い存在である。
 幼少時の頃より男前の兄と較べられることが多く早めにハンサム路線の人生には見切りをつけていたため、私、このキレンジャーに大変強い好意というか好感をよせていた。そう、そしてこのキレンジャーの名乗りがいつも三番目だったのである。

 いつも同級生らとこの会話をするたびにイライラしていた。だってみんな理由なしなんだもん、フィーリングで1とか3とか7とか適当なこと言いやがって。こっちの「好き」には理由というか数学的公式が存在する。だから自分の「好き」の方が正しい、「根拠」があるのだと思っていた。面倒くさいなあ俺。

 同じように好きな色は?という質問。説明するまでもなく上記の理由から黄色と答えていた。


 はいお待たせしました。今回のテーマは「黄色」である。


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