「鷲崎健のロレンチーニ便」第31回

第31回（2020/03/11）

■テーマ「ファッション」

　『ワシザキスタイル・ヨシオカモード』という番組を秋からやっている。声優の吉岡茉祐さんとふたりで、ファッションやオシャレというものに目を向け自分たちなりに考えていこうという主旨の番組である。

　これ、一見するだけだと成る程と読み飛ばしてしまいそうな文面だが話はそんなに単純では無いのである。知ってる人には何を今更と思われるかも知れないが、我々パーソナリティ陣は業界でも屈指のアンファッショナブリスト、オシャレに背を向けたオシャレ国における反体制アナーキストなのである。

　吉岡さんは自身が組んでいたユニット Wake Up, Girls! において「服がダサい」というキャラクターを背負ってきた。まがりなりにも一ファンとして映像コンテンツやラジオなど手に入る限りは手に入れ、メンバー間のやりとりなどある程度見てきたと言っても良いんじゃないかと自負しているが、「服がダサい」においては組み合わせやユニットの活動時期を問わずどのメンバーからも吉岡さんは支持され、評価を受けていた。吉岡一強時代と言えよう。
　絶対的圧倒的センターでありメインボーカルであり、何よりもそのパフォーマンスの格好良さは誰もが認め、そして誰にも似ていない。そんな彼女だからこそ「私服に自信がない」というウィークポイントがアクセントになり、キュートな魅力になっていた。

　相棒である鷲崎は家から一番近い店でしか服を買わないという主義をずっと貫いてきた男だ。
　その主義に異を唱える輩がたまにいるが、それもなかったらそもそも服を買わないという選択肢すら容易に選んでしまうだろう。服装＝外面にばかり栄養を与えた人間は、内面がやせ細ってしまうのだぜ、という「刑事物語的価値観」に寄り添うことで服に興味を持たない自分の言い訳にしてきた。大して信じてもいないくせに。

　幼少の頃よりオシャレだった実兄に対するコンプレックスが強く、その逆張りで「チャラチャラした男にはならない」を信条にしようとしたがだからといって自分の思う「男らしい」にテーマ性を持つこともまたそれに自分を寄せようともしていない。ファッションに関してはそ

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